自然環境や生態系と調和した形で実践されることを目ざした農業の一形態。
有機農法、有機栽培、オーガニック農法などとも呼ばれる。
化学物質の利用をやめ、旧来のような天然の有機物や天然由来の無機物による肥料などを用いるなど、
自然のしくみに逆らわない農業を目指している。
有機栽培は慣行栽培に比べ、統計的に単位面積あたりの収量が低い傾向がある。
有機肥料の多くは農産廃棄物、畜産廃棄物、
林産廃棄物などの産業廃棄物を熟成させたものであり、
ゴミの減量や物質循環という意味でも有意義である。
有機肥料は窒素に関しては緩効性肥料として作用するため、
肥効を短時間でコントロールするような栽培法には速効性窒素肥料に比べて不向きであり、
栽培にも習熟が必要とされる。
有機というアプローチは共通の到達点と実践を共有しているが、
有機農業の手法は様々である。
合成化学肥料を使用しないことに加え、土壌を浸食や貧栄養化、
物理的な崩壊から保護することや、
生物多様性の保全(例えば、一品種を栽培するのではなく、多品種を栽培するなど)、
家畜類を屋外で飼育すること(平飼い)が含まれる。
これらの枠組みの中で、個々の農業者はそれぞれ自分自身の有機生産システムを発展させる。
そういった個々の有機農業のあり方は気候や市況、
地域的な農業の基準によって規定されている。
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