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風力発電

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風力発電は、風の力によって発電機を回して発電する方式である。
風力エネルギーは、再生可能エネルギーのひとつである。地球環境の保全、エネルギーセキュリティの確保、経済成長の維持を同時に実現可能なエネルギー源として、世界各地で普及が進んでいる。
風力発電は従来の集中型電源とは様々な点で異なる特徴を持つ。温室効果ガスの排出が少ないことと、将来にわたって発電用燃料の調達リスク(コスト)が無いことが最大の長所であるが、その他の長所も無視できない効果を持つ。一方、出力が変動するなどの欠点も有し、対策を要する場合もある。以下に長所と短所を列挙する。

長所
主に小規模分散型電源としてのメリットと、燃料を必要としないこと、全体的な環境への好影響がある。
二酸化炭素などの温室効果ガス排出量の低減効果がある。
再生可能エネルギーを用いた発電方法の中では比較的発電コストが低く、事業化が比較的容易である。
太陽光発電と異なり、夜間でも発電が可能である。
エネルギー自給率の向上が見込める。
離島など、燃料源の確保や送電コストの高い地域にて独立電源として活用できる。
小型のものは需要地に隣接して設置可能であり、送電コストの低減に役立つ場合がある。
個々の設備が比較的小規模で、規模によっては個人でも運用可能である。
冷却水を必要としない。
小規模分散型の電源であるため、事故や災害など有事の際の影響を最小限に抑え、全体の稼働可能率を非常に高くできる。
工期が短く、需要総量の変動に対応しやすい。また投資してから運転開始までの利子も少なく済む。
運転用燃料を必要としないため、物価変動要因(インフレなど)の事業リスクが少ない。
修理や点検が比較的容易であり、必要な時間も短くできる。

短所
主に出力電力の不安定・不確実性と、周辺の環境への悪影響の問題がある。特に設置場所の選定に注意を要する。
風速の変動に伴って、出力の電圧や力率が需要と関係なく変動する。 特に個々の風車で見ると変動は激しい(ただし多くの風車がまとまると緩和される)。
夜間も発電するため、他電源の出力や需要の状況によっては夜間の余剰電力を増大させる。
現時点では既存の発電方式よりコストが高めである
(ただし温暖化ガス排出量の差を考慮したコストは低いとされる)。
風力原動機を設置する場所の風況が事業の採算性に大きく影響する。
ブレードに鳥が巻き込まれて死傷する場合がある。鳥への影響を参照。
周囲に騒音被害を与える場合がある。
想定値以上の強度の落雷や強風などにより、破損する場合がある。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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